<11月>節子先生のひとりごとを更新

「聴く力」

沖縄にも秋が近づいてくるのを日々毎の朝、夕の風の冷たさの中に感じるようになりました。お久しぶりです、お元気でしたか?

 さて、今回は前回に引き続き「聴く」ということ。ご存知の通り、漢字でも「聞く」、「聴く」の二文字があるように前者には「自然に耳に入って来るもの」、後者は「耳を澄ます、神経を集中すること」と二分されます。今回は音楽に必要な「聴くということ」に少し触れてみたいと思います。

 去った8月5日(日)うるま市市民芸術劇場燈(あかし)ホールにおいて、(公財)日本ピアノ教育連盟(通称:JPTA)35周年記念事業として、同沖縄会員講師の中から推薦された35名(4歳~小学6年)と琉球交響楽団室内楽オーケストラとによるコンチェルトが、満席の観客の中で行われました。

 それぞれの子供たちは見事な演奏でしたが、ここに先に述べた「聴く」ということが必要になってきます。コンチェルト=協奏曲、共に合わせる、自分の音を「聴き」相手の音を「聴く」事によって生まれるハーモニー=「調和」。「わんから わんから」ではなく、相手と共に一つのものを作り上げていく力は、「聴く」ことによってのみ生まれてきます。(もちろん技術の習得も重要ですが…)

 リズムの「ずれ」、バランスの「ずれ」、間の取り方などどれをとっても目に見えるものではないので、全て耳の「聴く」力によって修正、完成されていくものです。たった2回の練習によって子供たちの演奏のクセを見抜き、本番に見事に合わせて頂いた、高宮城先生の指揮、又オーケストラのメンバーの「聴く」力の確かさに「プロ」はやはり違うと、敬服した一日でした。

 相手の事を「聞く」ではなく、「聴く」力によって日常の中でも理解することまで発展していければ、素晴らしいだろうなと改めて「聴く」力の重要性を思いました。

 次回はコンクールについて。

 では、ごきげんよう。